ブラックジャックは己の判断次第で大きく結果が変わる世界中で人気のテーブルゲームです。
映画「ラスベガスをぶっつぶせ」なども有名ですね。
場合によってはカジノに対して数学的な面から有利に戦うことが出来るのも魅力です。
今回はそんなブラックジャックのルールについて現役カジノディーラーが解説したいと思います。
基本ルール
ブラックジャックはディーラーとプレイヤーが勝負をするゲームになります。最終的に配られたカードの数字の合計が21に近い方が勝ちとなります。
勝った場合は基本的に賭け額と同額の配当を得ることが出来ます。
ブラックジャックのゲームの流れ
枠内に賭け金であるチップを置いて、ディーラーがbet(賭け)を締め切ったらゲームスタートです。
イカサマ防止用のバーンカードを一枚捨てた後、ディーラーは各プレイヤーとディーラー自身ににカードを一枚ずつ、ディーラーから見て左から順に二枚配ります。
各プレイヤーのカードは表向き、ディーラーのカードは一枚が表向き(アップカード)、一枚が裏向き(ホールカード)となります。
カードが配り終わると、プレイヤーはより21に近づけるために、カードを追加で引く(ヒット)のか引かないのか(ステイ)を自分で判断することが出来ます。しかしカードの合計が21を超えてしまうと負け(バースト)になってしまいます。
バーストした場合、その場で賭け金は没収となり、カードは回収されます。
プレイヤーのアクションが終わると、ディーラーはカードの合計点数が17点以上になるまでカードを引き、最終的な点数の勝負となります。
なお、ディーラーの点数が21を超えてバーストした場合には、その時点で賭け金を置いているプレイヤーは全員勝ちになります。
点数の数え方
ブラックジャックはカード(トランプ)を用いたゲームです。
A(エース)からK(キング)までの13枚がスペード♠、ハート♥、クラブ♣、ダイヤ♦の四種類、合計52枚のカードを1組として、ブラックジャックでは6~8組のカードが使用されます。
ブラックジャックではA(エース)は1または11、2~9までの数字は数字通りに数えて、10~K(キング)までの数字はすべて10と数えます。
カードのスペード♠、ハート♥、クラブ♣、ダイヤ♦などの記号や色はゲームに影響しません。また、ジョーカーのカードも使用しません。
点数の計算の例とブラックジャックについて
例えば最初に配られたカードが上のようになっていた場合、プレイヤー側の点数は右側から順番に
・3と4の合計の7点
・A(1or11)と3の合計の4点or14点
・K(10)と10の合計の10点
・A(1or11)と10の合計の11点or21点
となります。
最初の二枚のカードで完成したAと10(10と数えるカード)の21点となる組み合わせは組み合わせはブラックジャックという役になります。
追加したカードによって三枚以上の組み合わせで21になった場合はブラックジャックにはなりません。
本来であれば、勝った場合は賭け金と同額の配当(1 to 1)を受け取る仕組みになりますが、ブラックジャックという役が成立した場合は、ディーラーが同様にブラックジャックだった場合を除いてその時点で勝ちとなり、賭け金の1.5倍の配当を受け取ることが出来ます。
ディーラーにブラックジャックが成立した場合は、ブラックジャックの引き分けを除いて、プレイヤーがアクションを行う前に全ての賭け金が没収となります。この時、賭けた金額以上に没収されることはありません。
プレイヤーのオプションについて
ブラックジャックには、プレイヤーがよりゲームを有利に進めるためにいくつかのオプションが用意されています。
それぞれについて解説したいと思います。
ダブリングダウン(doubling down)
一般的にダブルダウン、ダブルと呼ばれるアクションになります。
配られた二枚のカードからカードを追加する場合に、あと一枚しかカードを引くことが出来ないという条件のもとに同額までの賭け金を追加することが出来ます。
既に三枚目のカードを引いている場合はダブルダウンを宣言することはできません。
また、後述のスプリットを行った後や、追加の賭け金が同額に満たない場合にダブルが出来るのかはカジノによって異なります。
ダブルをしたい場合は、既にかけてあるチップの横に追加のチップを置いた後、ダブルと宣言します。
ダブルを宣言した後に追加されたカードは横向きに置かれ、これ以上カードが追加できないことを示しています。
スプリッッティングペアーズ(splitting pairs)
一般的にはスプリットと呼ばれ、プレイヤーの二枚のカードが同じだった場合に同額の賭け金を追加することで、二枚のカードを二手に分け、それぞれを独立したハンドとしてプレイすることが出来ます。
その後は二枚目のカードが新たに追加され、同様にゲームをプレイすることが出来ます。
スプリットもダブルと同様に、二枚のカードの時点でしか行うことが出来ません。
また、スプリットをしたのちに、また同じ数字のカードが来た場合は3回までスプリットを繰り返すことが可能だったりします。
但し、Aのスプリットについては一般的に制約が課されていることが多いです。
・Aのスプリットは一度まで。
・分けられたAにはそれぞれカードが一枚ずつ補充されるのみで、それ以降カードを引くことが出来ない。
・追加カードが10で合計点数が21点になっても、通常の21点扱いでブラックジャックにはならない。
インシュアランスとイーブンマネー(insuranse&even money)
インシュアランスとは日本語で保険の意味を持つ単語です。
ディーラーのアップカードがAまたは10であった場合、もしブラックジャックであった時はプレイヤーの賭け金は全て没収となってしまいます。
そのためディーラーはホールカードを確認して、ブラックジャックであるかどうかを確認する義務があります。
特にディーラーのアップカードがAの場合はブラックジャックになる可能性がそこそこ高いため、そうなってしまったときに自分のオリジナルのベット(最初に賭けた金額)を守ることができるのがインシュアランスです。
インシュアランスとは、ディーラーのアップカードがAの時、ホールカードを確認する前に、オリジナルベットの半分までを別に賭け、この賭けについてはディーラーがブラックジャックを成立させた場合は二倍の配当(2 to 1)を受けることが出来る仕組みです。
インシュアランスを賭けたい場合は、ディーラーのアップカードがAの時に、インシュアランスを賭けるのかのアナウンスがあるので、テーブル上のINSURANSEと描かれたエリアに、オリジナルベットの半分までの金額を新たに追加しましょう。
ディーラーがインシュアランスクローズと締め切った時点で賭けが成立となります。
オリジナルベットの半分をインシュアランスとして賭けた場合、ディーラーがブラックジャックだった時は、オリジナルベットは没収されてしまいますが、インシュアランスの配当としてオリジナルベットと同額の金額が配当として戻って来るので実質プラスマイナス0になります。
ディーラーがブラックジャックでなかった時は、インシュアランスに賭けた金額はそのまま没収され、ホールカードは伏せたまま通常通りにゲームは進行します。
イーブンマネーとは、ディーラーのアップカードがAまたは10でブラックジャックの可能性があるときに、プレイヤー側でブラックジャックを持っている人間が、ブラックジャックの1.5倍という配当(3 to 2)を放棄して、同額の配当(1 to 1)を得ることによって、お互いがブラックジャックの時の引き分けを事前に回避することを言います。
せっかくブラックジャックになったものの、ディーラーもブラックジャックでは引き分けとなり、配当は0です。
ディーラーがブラックジャックでなかった場合は、1.5倍の配当を得られるという魅力もありますが、0になってしまうよりは等倍の配当をもらったほうが安全だと考える方もいらっしゃると思います。
そういったシチュエーションになったときに、ディーラーはイーブンマネーにするかどうかを聞いてくるのでイーブンマネーにする意思を伝えると、その段階で賭け金と同額の配当(1 to 1)が支払われ、カードは回収されます。
インシュアランスとイーブンマネーは一見ものすごい親切なシステムに見えますが、数学的には実はかなりプレイヤー側が損をする仕組みになっています。
余程ディーラーの調子が良いというような状況でもない限り、あまりお勧めはしません。
ブラックジャックのハンドシグナル
ブラックジャックではプレイヤーの選択の意思表示に、それぞれ世界共通で手で示すハンドシグナルがあります。
これは、言語が通じない場合でもゲームがプレイできると同時に、フロア上部に取り付けられたカメラに記録として残しておくことで、後になってトラブルが起こらないようにするといった目的があります。
それぞれの動作について解説したいと思います。
ヒット(Hit)・・・カードを追加で引く
テーブルの上を軽く叩くとヒットのサインになります。
スタンド(Stand)・・・カードを引かず、そのまま
手を広げながら下向きに振るとスタンドのサインとなります。
ダブリングダウン(doubling down)・・・賭け金を倍に増やす
ダブルのハンドシグナルはそこまでメジャーではありません。人差し指を立てて見せる場合もあります。
基本的にはチップをオリジナルベットの横に出し、ダブルダウンの意思を伝えればよいでしょう。
但し、カードが(5,5)(4,4)などの場合は、スプリット、ダブルの両方の可能性があります。
そういった場合ははっきりと意志をディーラーに伝えましょう。
スプリッティングペアーズ(Splitting Pairs)・・・カードを二手に分ける
スプリットのハンドシグナルは、同額のチップを少し離れた場所に出した後、中指と人差し指を出し、二つに分けたいという意志を示すことで成立します。
連続でスプリットをした場合などに、隣のプレイヤーのチップに触れてしまうことが無いように注意しましょう。
以上がブラックジャックのルールになります。
ブラックジャックは勝ち方を覚えるとさらに楽しくなるゲームです。
ルールは少し複雑ですが、練習して勝利を目指しましょう!