統合型リゾート(IR)の誘致を目指す大阪府・市は21日、IRの「実施方針案」を公表しました。
IRの万博前開業などが明記された模様です。
今回は実施方針案とは何か。どんな内容だったのかを詳しく解説します。
実施方針案とは?
IRの実施方針案とは、
IRの誘致を目指す自治体が、IRを運営する事業者に求める条件などを定めたものです。
誘致に向けて必要な手続きのひとつであり、今後はこれをもとに事業者の公募・選定を行っていきます。
なお、その後の、区域整備計画の申請については、2021年1月4日から7月30日という期間であると先日発表がありました。
あと1年半ほどの間に事業者の選定を終えて、具体的なプランを練る必要があるので、かなりハードなスケジュールになることは間違いないでしょう。
ちなみに、今回大阪府・市が「実施方針案」について公表しましたが、これは全国の自治体で初めてのことです。
以前から誘致について積極的な大阪府・市の姿勢がはっきりしたと言えるでしょう。
実施方針案で定められたこと
では、今回発表された具体的な「実施方針案」とはどんな内容だったのでしょうか?
開業時期について
まずは、気になる開業時期です。
今回、「実施方針案」では、
2025年国際博覧会(大阪・関西万博)前の開業を目指すと記載するにとどまりました。
相次ぐスケジュールの遅れにより、万博前開業を確約することは困難だと判断した模様です。
松井知事は、
「不確定要素がある中で絶対条件にしても事業者が応募できなかったら意味がない」
とコメントしています。
IRの設備について
大きなサプライズは無く、
- カジノ
- 6000人以上を収容できる国際会議場、10万平方メートル以上の展示施設の設置。
- 3000室以上のホテルを完備。
などが求められています。
カジノについてですが、国によって決められたIR実施法施行令によって、
「カジノの床面積はIR全体の3%未満」
などと決められており、来年1月に発足するカジノ管理委員会によって細かい内容については議論がされていくことでしょう。
その他も、以前から検討している内容とほとんど変わらないことから、開業時期が唯一の誤算だったことが窺えます。
IRと別途で事業者に求めること
その他には、
- インフラ整備(地下鉄中央線の延伸)の一部(約202億円)や府市が代行する環境影響評価(アセスメント)の事前調査費などの負担。
- カジノ事業の収益を施設整備や隣接地の開発、府市の政策への協力などに充てる「再投資義務」
なども盛り込まれました。
現在大阪府・市への進出を目指している事業者は
米MGMリゾーツ・インターナショナル・オリックス、
ギャラクシー・エンターテインメント・ジャパン、
ゲンティン・シンガポール
の3社。
いずれも事業コンセプト案においてこうした部分について協力的な姿勢を見せているため、今後の公募へ向けて各社のアピールに注目したいですね!