沖縄知事選はデニー玉城氏が勝利!IR誘致は困難か。
沖縄知事選(9月30日投開票)は、オール沖縄の後援を受けた前衆院議員玉城デニー氏(58)が初当選した。
自民党と公明党が推した前宜野湾市長、佐喜眞淳氏(54)との一騎打ちとなった今回の選挙は、直前の世論調査で佐喜氏が1ポイント差まで迫るなど激戦のとなったが、玉城氏が逃げ切った形となった。
オール沖縄による強固な体制が今回こそは崩れるという見方も多かっただけに、ある意味想定外の結果だったと言えるかもしれない。
玉城デニー氏は、死去した翁長前知事の遺志を継ぐ形で今回の選挙に立候補、見事当選を果たし
「自民党の世論調査で追い詰められ、逆に結束が固くなった。それまではオール沖縄は共産党や社民党がそれぞれバラバラに動いていた。だが、このままでは勝てない、翁長氏の遺志を継いで成し遂げなければ、と一致団結したことが勝利につながった」
とコメントした。
玉城デニー氏は翁長氏同様に沖縄へのIR誘致に反対の姿勢を見せており、今回の選挙によって沖縄県のIR誘致の話は消えたと言ってもいいだろう。
IR実施法案の成立を受けて地元は盛り上がっていただけに、残念な結果になってしまったと言える。
数日前にシーザーズ・パレスなどを運営するシーザーズ・エンターテインメントの国際開発社長スティーブン・タイト氏(Steven Tight)はニッケイ・アジア・レビューに対し
「沖縄は観光地としては素晴らしい場所であるから知事が統合リゾートを支援してくれたら我々にとってこの上ない機会になるだろう」
とコメントしていただけに、今回の結果を受けてのIR関係者の落胆は計り知れないだろう。
ただ、有力候補と言われていた沖縄県が候補から事実上消えたことは他の自治体にとってはチャンスである。
現在最も誘致に積極的な動きを見せているのは大阪府・長崎県・北海道、次点で東京都・神奈川県・愛知県などが挙げられる。
政府は2021年をめどに最初にIRを建設する3か所の自治体を決定する方針で、この最初に区域認定に入れるかどうかが最も重要なポイントになる。
横浜市林市長、首都圏にIRは1か所のみと予想
横浜市の林文子市長は9月28日金曜日の定例会見内で、東京・横浜・千葉を含む関東圏内でIRライセンスを付与される自治体は1か所になるだろうとの予想を明らかにした。
定例会見の中で東京都でIR入札の動きが活発になっていることを聞かれ、個人的な考えは特に持っていないながらも2020年の東京オリンピック以降の開発を考えていくことは当然のことであると、一定の理解を示した。
また、横浜市と東京都が同時にライセンスを付与される可能性は限りなく低く、仮に双方が入札を行った場合もどちらか一方に絞られるだろうという見通しを明かした。
林市長は、市のRFI(情報システムの導入や業務委託を行うにあたり、発注先候補の業者に情報提供を依頼する文書)に開発計画を提案した海外IR事業者に感謝をしたうえで、未だ横浜市としてはIR誘致について白紙であり、具体的な計画を進める段階に至っていないことも改めて強調している。
以前は横浜は大阪と並んでIR誘致の最有力候補と言われていただけに、ここ最近の林市長の弱気な姿勢は東京都への忖度と取られてもおかしくない。
東京都がIR誘致をするために、それまで誘致に積極的だった横浜市に手を引かせた、なんてことが実際に起こっているのではないだろうか。