2018年8月18日のカジノニュースをお伝えします。
大阪府松井知事、来年頃にはカジノ事業者を選定する方針
大阪府の松井一郎知事が、カジノを含む統合型リゾートの誘致へ向けて、
「来年ごろには事業予定者を決定したい」
「国の担当部局が、国のIR実施計画と府の計画に齟齬(そご)がなければ、将来了承するという判断(区域の仮認定)を年内にしてもらいたい」
「2024年オープンを目指すのがわれわれの思い」
「設計に1年半かかる」
「21年に着工すると工期が3年で、24年秋の完成になる」
「IR事業者から本気の提案をしてもらうためには大阪にある程度の区域指定(仮認定)が必要」
と発言したことが話題になっています。
松井知事の発言の背景
大阪府はカジノ実施法案における最初の3か所の区域認定へ向けて、具体的に人工島「夢洲」への誘致計画を以前から発表するなど、カジノ誘致へ向けて積極的な姿勢を見せてきました。
多くの自治体がカジノ誘致に乗り出し誘致レースが苛烈さを増す中、現状大阪府は他の自治体に一歩リードしている形になっています。
今回の発言における「事業予定者」とは、MGMリゾーツやメルコクラウンを始めとする海外のカジノ事業者のことです。
現在具体的に名乗りを挙げているのは上記の二社ですが今後さらに数を増してくることが予想されます。
今回の発言の意図として第一に、一刻も早くIRを誘致したい大阪府の思惑が見て取れます。
海外の事例を見ても、IR施設の建設には莫大な予算と資材と人材が必要になります。
そのため、一般的な公共事業と違って数か月や一年程度ではどうにもならず、区域認定⇒事業者決定⇒建設というプロセスを3年ほどに凝縮するのは難しいと判断してのことでしょう。
また、本来オリンピック後の観光の目玉として位置づけられてきたIRは、2021~22年ごろの開業を目指していました。
それが、モリカケ問題の追及などによって今回のカジノ実施法案も再三先延ばしになってやっと成立した経緯があるため、これ以上先延ばしに出来ないということもあると思われます。
ちなみに2013年にスペインでは、マリーナベイサンズを運営するラスベガスサンズ社によってカジノが作られる計画が進んでいましたが、あまりにも政府からの要求が多すぎた結果、サンズ社に逃げられてしまい計画が頓挫してしまった事例があります。
このことによりスペイン経済は大きな打撃を受けました。
事業者選定をせずに、品定めのようなことをして海外カジノ事業者に時間と労力を使わせていると、このように計画が破綻してしまうかもしれません。
そういった意味で今回大阪府は政府に釘を刺すような形になったのではないでしょうか?
マカオ、不正をしたカジノディーラーら6人逮捕
事件の概要
マカオのカジノ施設で、女性カジノディーラーと、元カジノディーラーの女性、仲間の男性の計6人が逮捕されたと、マカオ司法警察局が発表しました。
罪状は業務上横領です。
8月14日午後、カジノ施設のセキュリティ部門から
「あるバカラテーブルで客が勝負に負けたにもかかわらずディーラーが3万7000HKD(約51万円)分のチップを払い出したことが確認された」
として警備員が当該テーブルにいたディーラーと客の計6人を取り押さえたとの通報があったため発覚しました。
主犯は逮捕歴のある元カジノディーラーの女性で、女性ディーラーと仲間の男4人を巻き込んで不正をした模様です。
セキュリティ部門の仕事
今回の事件は、明らかに不正をしたと判断されたため捕まったのでしょうが、セキュリティ部門が動くことは実はかなりの頻度であります。
カジノでは基本的にディーラーとその上のスーパーバイザー、さらにその上のピットボスといったように監視系統が確立されていて、さらにそれに加えて別室のモニターですべてのテーブルのゲーム進行と配当額などがチェックされています。
カジノディーラーも人間です。
不正をする意図が無くとも、顧客に必要以上に配当を渡してしまったり、その反対のことをしてしまったりということが数多くあります。
このうち、顧客に少ない配当を渡してしまった、もしくは配当を渡さなかった場合はたいてい顧客が気付いて指摘し、そこでゲームが中断。
ピットボス、場合によってはマネージャーまでもが呼ばれて、セキュリティにカメラでのチェックが行われた後、正しいゲームに戻ります。
しかし、顧客に必要以上の配当を謝って与えてしまった場合はどうでしょう?
この場合、わざわざ顧客が申告することはまずありません。
しかし、しばらく時間が立った段階でセキュリティから連絡が入り、ピットボスやマネージャーがすっ飛んできて、顧客に謝罪を始めます。
結果的に多く得てしまった配当は没収されてしまいます。
カジノ側のミスなんだから返す必要が無いと思うのも当然ですが、決まりなのでどうしようもないです。
ミスのあったゲームの直後ならまだしも、カジノ側としても金銭を返却してもらう以上入念なチェックが必要になり、少し時間を要します。
こうなってしまうと、あまり気分の良いものではないので、必要以上の金額を手にした場合は申告せずとも没収されることは覚悟しておきましょう。