映画「アウトレイジ」でも登場した大使館カジノ。
大使館の中は治外法権だから合法?という噂がありますが、実際はどうなのか?
ガーナ大使館のカジノが摘発された?米軍基地にもカジノがある?という噂についても解説していきたいと思います。
大使館、領事館は治外法権でカジノは合法?
結論から言うと、大使館や領事館の敷地内ではカジノの営業は合法です。
ただし、両国の間にカジノやその他賭博場についての取り決めがあった場合は、違法になることもあります。
そもそも大使館や領事館とは、
1つしか無い大使が拠点とするのが大使館、
外交官たちが活動を行う上での拠点として設けられていて、複数の存在が可能なものが領事館です。
なぜ大使館カジノは合法なのか?
それは大使館・領事館の敷地内が治外法権になっているためです。
治外法権とは、簡単に言うと日本の法律が適用されないこと。
基本的に世界中で大使館・領事館の治外法権は認められています。
治外法権の状況下では、自国の業務を大使館・領事館のある国の法律に縛られずに遂行することが出来るようになります。
大使館カジノの誕生
日本ではカジノが違法です。
現在カジノでお金を賭けて遊ぶにはカジノが合法な国に行くしかありません。
闇カジノ・裏カジノと呼ばれる、違法なカジノも存在しますが、常に摘発のリスクに晒されていますし、客側としても安心して遊ぶことはできません。
しかし治外法権の仕組みによって、カジノが合法である国の大使館・領事館であれば日本国内であってもカジノの営業が合法になります。
この制度を悪用したのが大使館カジノと呼ばれるカジノの形態です。
外交官やその家族の息抜きとしての営業であればさほど問題にはならないでしょうが、法の盲点を突く形で日本人客も大使館カジノへ出入りすることが大きな問題になっています。
映画「アウトレイジ」で登場した大使館カジノ
北野武監督の映画「アウトレイジ」では、まさにこの治外法権を悪用したカジノが登場します。
作中では、グバナン共和国の大使を脅して大使館内に闇カジノを作り、そこから上がる大きな利益がヤクザの莫大な資金源となる様子が描かれています。
上手く法の目を潜り抜けている点はなるほどなと感心してしまう反面、妙にリアリティのある話であるために大使館にはカジノがあるのではないかという噂も広まりましたが、実際に日本において大使館にカジノが存在するという話はほとんどデマと言っても良いでしょう。
在ロシア北朝鮮大使館にある闇カジノが摘発
といっても大使館カジノが世界中に存在しないかというとそうではありません。
実際に先日ロシアの首都モスクワでは、在ロシア北朝鮮大使館内で営業されていた闇カジノが摘発されました。
ロシアは限られた特区でしかカジノの営業が許可されていないこともあり、闇カジノが後を絶ちません。
そこに目を付けた北朝鮮大使館の闇カジノでしたが、どうやらロシアと北朝鮮の間の二国間協定に反していたらしく、再三の警告を無視した結果摘発されてしまいました。
在日ガーナ大使の闇カジノ、摘発
ちなみに、以前日本でも大使館カジノ絡みの事件がありました。
事件が起きたのは2014年3月。
ガーナ大使の公邸のマンションの1室で営業されていた闇カジノが摘発されたというもので、容疑者らは2億円以上を稼いでいたそうです。
大使館カジノで合法かと思いきや、何故摘発されたのか?
原則として、大使館・領事館は治外法権が認められていて、大使公邸・領事公邸もその範囲内です。
しかし、このマンションの一室は大使の名義で借りられていたものの、外務省への届け出がされていなかったことで、摘発の対象となってしまいました。
にもかかわらず、「大使館絡みだから合法だ」という触れ込みで集客もしていたらしく、かなり悪質なケースと言えるでしょう。
沖縄の米軍基地にもカジノがある?
外交特権によって治外法権が認められているのは大使館・領事館だけではありません。
沖縄の米軍基地も、治外法権が認められています。
基地内については日本の法がが適用されず、アメリカのほうが適用されるため、カジノが合法になっているのです。
カジノのある施設の名前は「TAIYO GOLF CLUB」。
実際に日本人も遊ぶことが出来るようになっている、隠れたスポットになっています。
ただ、実際に海外にある豪華なカジノのような雰囲気ではなく、スロットマシンが並べられただけの空間になっています。
とはいえ、日本にいながら合法的にお金を賭けてカジノを楽しみたいのであれば、スロットマシンだけになりますが沖縄の米軍基地で遊ぶのが良いと言えそうです。
「TAIYO GOLF CLUB」 住所:うるま市栄野比1183