パイゴウポーカー、Pai Gow Pokerとも呼ばれる、パイガオポーカーの基本ルール、遊び方からハウスエッジ(控除率)は?期待値は?必勝法や攻略法、戦略はある?という疑問まで)、実際にパイガオポーカーをカジノでディーリングした経験を持つ現役カジノディーラーが解説します!
パイガオポーカーの基本ルール
パイガオポーカーの基本ルール
パイガオポーカーは、ディーラーとプレイヤーが戦う対戦型のゲームです。
各プレイヤーとディーラーにはそれぞれ7枚のカードが配られ、それを5枚と2枚の組み合わせに分けます。
5枚の組み合わせを「High」、2枚の組み合わせを「Low」と呼びます。
ディーラーも決められたルールに従ってカードを「High」「Low」に分け、各プレイヤーのカードとポーカーの役として強いかを比較します。
両方とも勝った場合は勝ち、両方とも負けた場合は負け、一方が負け一方が勝った場合には引き分けとなりベット(賭け金)はそのまま返却されます。
このゲームの醍醐味は、いかにして「High」「Low」の組み合わせを決めるかにかかっています。
組み合わせは自分で考えることが出来るため、「High」「Low」共に強くして勝ちを狙いに行ったり、あえて「High」に集中させて引き分けを狙うなど戦略は人と場合によって様々です。
「High」「Low」と2つの組み合わせを作って勝負し、両方とも勝たなければ配当が得られないなど、パイガオ(パイゴウ、Pai Gow)と似ている部分も多いので「パイガオポーカー」と命名されていますが、こちらは牌ではなくカードを使ったゲームなのでルールはほとんど違っています。
パイガオポーカーの数字の数え方とジョーカーの存在
対人ゲームであるテキサスホールデムポーカーの場合は、同じ役の強さを相対的に比較するために数字の大きさが用いられます。
パイガオポーカーも、ディーラーと勝負する際に役の強さを判定しなければならないため、数字の強弱はまず覚える必要があります。
数え方はテキサスホールデムポーカー同様にAが一番強く、2が一番弱くなっています。
A>K>Q>J>10>9>8>7>6>5>4>3>2
多くのポーカー派生ゲームでは、A~Kの13枚が各スーツ(♠などの柄)分あり、計52枚が使用されますが、このゲームではこれにジョーカーの1枚を加えた計53枚が使用されます。
このジョーカー大富豪のように最も強くどんなカードとしても使うことが出来るというカードではありません。
パイガオポーカーのジョーカーは基本的にAとして扱い、ストレート、フラッシュなどの役を完成させることが出来る場合のみ、他のどのカードとしても扱えるワイルドカードになることが出来ます。
フルハウスやペアなどを完成させるためのワイルドカードにすることはできません。
また、カードのスーツ(♠などの柄)はこのゲームでは勝敗に影響しません。
パイガオポーカーの役の強さ
7枚から5枚を選んで役を作るルールのため、テキサスホールデムポーカーと役の強さはほとんど一緒ですが、特殊な場合を除いてAとして数えるジョーカーの存在があるため、Aのファイブカード(five of a kind)が最強の役として君臨します。
また、「A2345」のストレートは、テキサスホールデムではストレートの中で最も弱い組み合わせになりますが、パイガオポーカーでは「10JQKA」に次いで強いストレートとしているカジノが存在するので注意が必要です。
「Low」の2枚のカードの強さについては、最高役がワンペアで、あとは数字の順に強いのでさほど難しくはないと思います。(Lowにはストレートやフラッシュは存在しない。)
以下が役の強さを順に並べた表になります。
役の名前(上から順に強い) | 役の内容 |
ファイブカード(Five of a kind) | ジョーカーと4枚のAの組み合わせ |
ロイヤルストレートフラッシュ(Royal) | 数字が10,J,Q,K,Aのストレートフラッシュ |
ストレートフラッシュ(Straight Flush) | ストレート、フラッシュがともに成立している |
フォーカード(Four of a kind) | 4枚の同じ数字を持つ |
フルハウス(Full House) | 5枚のうち同じ数字が2枚,3枚 |
フラッシュ(Flash) | 5枚すべての絵柄(♠など)が同じ |
ストレート(Straight) | 5つの数字が連続している |
スリーカード(Three of a kind) | 3枚の同じ数字を持つ |
ツーペア(Two Pair) | 2種類の数字のペアを持つ |
ワンペア(One Pair) | 1種類の数字のペアを持つ |
パイガオポーカーのゲーム進行、遊び方
パイガオポーカーの賭け方
パイガオポーカーのレイアウトは、ベッティングエリア(賭け金を置くエリア)と、「High」の5枚のカードを置くエリア、「Low」の2枚のカードを置くエリアに分かれています。
「High」「Low」はカジノによって呼び方が異なりますが、「High」は下のエリア、「Low」は上のエリアに置くのが基本となります。
ゲームを始めるには賭けたい金額をベッティングエリアに置きましょう。
この場合は数字の書いてある丸がベッティングエリアです。
ディーラーが「No more bet」と宣言するとゲームが始まります。
これ以降ゲームが終わるまで賭け金に手を触れてはいけません。
パイガオポーカーのゲーム進行
カードの配布 各プレイヤーとディーラーにそれぞれ7枚のカードが裏向きで配られます。
自分の7枚しか見ることが出来ず、ほかのプレイヤーのカードを見てはいけません。
「High」「Low」の選択 7枚のカードを見て、どのような組み合わせで5枚の「High」、2枚の「Low」に分けるのかを考えます。
この時のルールとして、必ず「High」のほうが「Low」よりも高い役が出来ていなければならないということがあります。
例えば「High」に『9,9,5,4,2,』で9のワンペア、「Low」に『10,10』で10のワンペアとやってしまってはいけません。
こうなってしまうと、ファールとなり反則負けになってしまいます。
ファールにならない範囲でお互いの強さを調節することがこのゲームの楽しさです。
どう組み合わせるかが決まったら、レイアウト上の「High」「Low」のエリアにそれぞれカードを置きましょう。
パイガオポーカーの勝敗の判定と配当
全てのプレイヤーがカードの選択を終えたらディーラーのカードが開かれます。
ディーラーはハウスウェイというカジノによって異なる指針に従って「High」「Low」の組み合わせを決定します。
その後、各プレイヤーとそれぞれ比較し、勝敗の判定を行います。
・「High」「Low」両方とも勝った場合は勝ちとなり、賭け金から5%のコミッション(手数料)を差し引いた金額が配当されます。
・一方が負け一方が勝った場合には引き分けとなりベット(賭け金)はそのまま返却されます。
・両方とも負けた場合は負けとなり、賭け金は全て没収となります。